RouteTracker Route43

anyway going to kobe
天皇のおべべはセブンイレブンで買えばいい
いにしへのひじりの御代の政をも忘れ、民の愁、国のそこなはるゝをも知らず、万にきよらを尽していみじと思ひ、所せきさましたる人こそ、うたて、思ふところなく見ゆれ。

「衣冠より馬・車にいたるまで、あるにしたがひて用ゐよ。美麗を求むる事なかれ」とぞ、九条殿の遺誡にも侍る。順徳院の、禁中の事ども書かせ給へるにも、「おほやけの奉り物は、おろそかなるをもってよしとす」とこそ侍れ。

(現代語訳)
昔 々、まだ偉い人が存在していた時代の政治の方針を忘れてしまって、その他大勢の一般市民が困って嘆いていることや、国に内乱が起こりそうなことも知らないで、何もかも究極に豪華なものを用意して「えへん」と思いながら「ここは狭くて窮屈だ」というような態度をしている人を見ると、嘔吐しそうになるし、自分のことしか考えていない厭な野郎だと感じてしまう。

「作業着やヘルメット、シャベルカーからダンプカーまで、すべて間に合わせで済ませよ、新品や最新機種を欲しがってはいけません」と、死んだ右大臣(※注1)の遺言にもあったことだし、順徳院(※注2)が宮中のことを書いたもので(禁秘抄)という参考書にも「天皇のおべべはセブンイレブンで買えばいい」と書いてある。
| solo | - | 21:13 | - | - |
第三十七段
木の花は
 濃いのも薄いのも、紅梅がよい。
 桜は、花びらが大きく、葉の色の濃いのが枝がほっそりした感じで咲いているのがよい。
 藤の花は、花房が長く色も濃く咲いているのが、とてもすばらしい。
四月の末、五月の初めの頃、橘の葉が濃く青いのに、花がたいそう白く咲いているのに、
雨の降りそそぐ早朝などは、他に比べるものがなく情趣がありしみじみとした様子だ。
花の中から、黄金の玉かと思う実が、とてもあざやかに見えるのは、朝露に濡れた明け方の桜
に劣らない。ほととぎすのゆかりの花とまでも思うからだろうか、なおさら言うまでもない。
 梨の花は、ひどく殺風景なものとして、身近でもてなされることもなく
ちょっとした手紙をこれに結びつけたりなどさえしない。
魅力のない人の顔などを見ては、例えにして、本当に、葉の色をはじめとして
面白みがないように見えるが、中国では、この上ないものとして
漢詩に作るのは、やはり、何と言っても訳があるのだろうと、強いて目を凝らして見ると
花びらの端に、美しい色つやがほんのちょっと付いているようだ。
楊貴妃が、玄宗皇帝の御使者に向かって泣いたとか言う顔にたとえて
「梨花一枝、春、雨を帯びたり」
などと言っているのは、並一通りではないからだろうと思うにつけ、やはり
ひどくすばらしいことは、他に類があるまいと感じられる。
 桐の木の花は、紫色にさいているのがやはりすばらしく、葉の広がっているのが
異様に大げさだけど、異木などと同じように言うこともできない。
中国では有名な鳥が、この木にだけ住むというらしいのは、大変格別に思われる。
まして琴を作って、様々な音が出てくるのであるから、興味深いと当たり前に言って
いいのであろうか、いや大変すばらしいことである。
 木の格好は憎たらしい感じだが、せんだんの花は、実に趣がある。
しなびたように一風変わった咲き方をして、必ず五月五日に咲き合うのも興味深い。

(第三十七段)

| solo | - | 20:56 | - | - |
shinnenkai
| solo | - | 11:00 | - | - |
 123456
78910111213
14151617181920
21222324252627
28293031   
<< January 2007 >>



+ RECOMMEND
+ RECOMMEND
+ RECOMMEND
+ RECOMMEND
+ SELECTED ENTRIES
+ CATEGORIES
+ ARCHIVES
+ LINKS
+ PROFILE